バラ科の果樹が多い中、ブルーベリーはツツジ科スノキ属の小果樹です。
日本で生産される主な種類は北米原産の以下の2種です。
 
●ラビットアイブルーベリー
 関東から九州まで栽培できる。丈夫で生育旺盛。収穫は盛夏期~初秋。
 ブッシュ状に繁り、ティフブルーは樹高約3mまで伸びる。
●ハイブッシュブルーベリー
 どちらかというと冷涼地向き。強酸性土壌を好む。収穫は初夏。
 東京では樹高はあまり伸びず1~1.5m。冷涼地では伸びる。
 品種改良は最も進んでいる。
 南部ハイブッシュブルーベリーはハイブッシュを暖地でも作れるように改良したもの。 
他に海外では野生種のローブッシュブルーベリーが加工用に採取されています。
日本にも、野生植物にブルーベリーの仲間があります。高山地帯に分布するコケモモやクロマメノキが代表的で、以前は軽井沢や草津の浅間山麓などでは実が採取され加工品となって土産店などで売られていましたが、いまは採取禁止になっています。その他、クロウスゴ、シャシャンボ、ナツハゼなども同じ仲間です。


ブルーベリーの特長


無農薬栽培ができる
致命的な病虫害の心配がないので農薬をかける必要がありません。収穫してそのまま食べられます。
 
収穫期間が長い
ハイブッシュ種とラビットアイ種を組み合わせると東京の場合6月中旬から9月下旬までの長い間収穫ができます。ラビットアイ種の代表品種ティフブルーでは7月中旬から9月下旬まで収穫できます。
 
庭木としての鑑賞価値が高い
春の芽吹き、白い可憐な花、新緑の美しさ、真夏にブルーの果実、秋には真紅の紅葉、そして落葉と 四季折々の変化が美しく鑑賞できます。
 
狭い場所でも作れる
鉢植えでも作れます。ちょっと大きめのトロ箱などならよく育ちます。庭がなくてもベランダさえあれば栽培できます。
 
数々の機能性が注目の的
ビタミンCはいろいろな果実にもあります。もちろんブルーベリーにも、しかし、最近話題を呼んでいる「ブルーベリーは目にいい」という機能性、これはブルーベリーに独特のものです。ブルーベリーの果実に含まれる15種類のアントシアニン色素の抗酸化作用等が注目され、健康食品のほか医薬品まで出ています。
なぜ目にいいかは、日本ブルーベリー協会の伊藤名誉会長の声でお聞きください。
(98年4月24日第2回機能性シンポジウムより48秒)


以下のビデオはYou TubeにアップしたUS Highbush Blueberry Councilのプロモーションビデオに日本語字幕をつけたものです。クリックしてごらんください。アメリカの生活の中のブルーベリーと抗酸化能力について語られています。(4分24秒)

ブルーベリーの性質

酸性で有機質の土壌を好む
カナダからピートモスを買い付けている業者から、ピートモスの採れる場所にはブルーベリーがはえていると聞いたことがあります。ピートモスは強酸性(pH4.0前後)です。すなわちブルーベリーは酸性を好みます。特にハイブッシュ種は強酸性を好みます。ラビットアイ種は弱酸性を好むといわれていますが、私の経験からは強酸性のほうがよく生育します。→ピートモス
 
寒さには強いが乾燥に弱い
ハイブッシュ種は寒さに強く冷涼地ではよく育ち、ラビットアイ種は寒さには強いもののハイブッシュに比べると東北、北海道では寒害を受けるといいます。また、ハイブッシュ種は特に乾燥には弱く、水分を好みますが排水不良には弱いので注意が必要です。ラビットアイ種もハイブッシュ種よりは耐えますが、乾燥には弱く、水を好みます。排水はよくします。排水は良く通気性を保ちながら水を切らさないことが共通した栽培のポイントといえます。
 
他品種の花粉で結実する
自家不結実性といって自分の花粉では結実しにくい性質があります。たとえ結実しても実は小さくなります。すなわち他品種の花粉が必要で、最低2品種以上をそばに植える必要があるのです。具体的にわが家の垣根には8本のティフブルーと2本のホームベルが植えてありました。開花期にはハチが品種間を飛び交って受粉していました。
 
細根が多く浅く張る
ブルーベリーの根は細く繊細で浅く分布します。
しかし、密度は高く、たとえばトロ箱に植えておくと
2~3年後には箱の形にスポンジ状の根鉢ができます。
根は荒っぽく切ってもよく再生します。
 


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