遠い農園、実は手作りブルーベリー園
「ブルーベリー園の夢に向かって」
3つの農園ができるまでのあらすじ

場所選び~伐採~伐採枝の片付け焼却

2003年10月12日 そこは埼玉県日高市、ほぼ放任状態の梅と栗の古木が植わった450坪のゆるやかな北斜面だった。斜面だから排水は良いだろうと思ったが、土壌は重粘土、後に水がたまり何本か枯らすことになる。
2003年12月20~21日 地主さんたちに手伝ってもらい、オカメヅタの絡まる梅と栗の古木を伐採して園地造成がスタート。大木全部の伐採には2日間かかった。
その後1~2ヶ月かけて伐採枝を焼却処分した。


スコップ1本、人力での穴掘り300個

2004年1~3月 伐採後の片付けをしながら穴掘りを開始。重い粘土と木の根っこのある地面をスコップ1本で掘り進んだ。当時はまだ現役で勤めながらの土日の作業だった。


植付けは6月までつづいた

2004年4~6月 穴にはピートモスだけを入れ、苗を植え付けた。ピートモスに水を含ませるだけでもかなりの時間がかかり、土日の植付け作業が延々とつづいた。300穴に使ったピートモスは6キュービックフィートで約100袋。植え付けた種類はハイブッシュ、ラビットアイ、ローブッシュ3区90品種余と車庫上で育った大株で合計300本。もう品種比較観察研究園の様相を呈するようになった。


実はすぐにならせて観察をつづけた

2004年にも実がなった品種もあったが、2005年には全部の品種を結実させ、花から結実までの品種比較写真を追跡撮影した。収穫時期には新座に住んでいる娘一家とそのご近所さんたちを摘み取りに招き、楽しいひとときが過ごせた。


第2農園構想スタート

地主さんが日高市の観光地でもある巾着田に土地を持っており、共同という事でブルーベリーを植えないかと持ちかけてきた。面積は600坪ある。将来摘み取り園としては絶好の立地条件なので話に乗った。早速8月の末に、植え付け用の苗の挿し木に取りかかった。現地は田んぼのため、チップ投入を提案すると、とんとん拍子で決まった。2006年2月、巾着田へ大型ダンプ200台分の木材チップの投入が始まった。6月までにチップの高さは1mになった。発酵が収まるまで放置した。


晴天の霹靂、苦渋の決断

2005年は実をならせながらもブルーベリーはぐんぐん生長をつづけた。2006年収量も増え、品種比較観察撮影もつづけた。7月には前年同様みんなを招待して摘み取ってもらった。その後、7月下旬、予期せぬ事態になった。植えてあった土地が相続で地権者が複数になり分筆となってしまった。まさに晴天の霹靂だった。話は折り合わず、ただ時間が過ぎていき秋になった。結局らちがあかず植えていた所は全部栽培続行が無理になり、苦渋の決断を迫られた。仕方なく引っ越しを決意。同じ地主さんの4km離れた所の土地の一部を使わせてもらうこととなった。その第3農園の面積は270坪。茶園の跡の黒ぼく土だった。第1農園にはプレハブの物置兼休息小屋があるのだが、そこは分筆範囲外だった。さらにその反対側にも50坪の使える土地があった。そこへ育苗床と82品種を植え、残りは第3農園へ引っ越しという事にした。


第2農園植付け

2006年11月3日~8日 第2農園の発酵も収束し、地温は30℃まで下がったので、1年前から超特急で作ったラビットアイ8品種500本余を植え付けた。休みの日には地主さん夫妻にも手伝ってもらったがほとんどは一人で植えた。5日かかった。チップを積んだのでゆくゆくはチップに根を張らせたいと思い、植付け時は根付け用程度にピートモスは苗1株当たり5リットル程度しか入れなかった。


第1農園引っ越し第1弾

2006年11月第2農園への植付けが終わるとすぐ、第1農園の引っ越しに取りかかった。まず、第2農園の予備のチップを軽トラで16回第1農園のプレハブ横へ運んだ。粘土を掘ると水がたまり枯れたことがあったので、穴は掘らずに引っ越し株を置いた所へチップを被せる方式をとった。年内に82株の引っ越しは終わった。


第1農園引っ越し第2弾、第3農園へ

2006年11月 第3農園へはチップを30cm積んでもらった。たくさん積むと発酵熱が収まらないので待っていられないから薄くした。井戸掘りが終わって2月19日より引っ越しを開始した。終わったのは2月25日だった。かなり強剪定をしての引っ越しだったが、大株の引っ越しはダメージが大きかった。2007年の収量は2006年の収量の3分の2に終わった。移植後根付かないものもかなりあった。


自然日記に登場する野菜畑は第3農園の一角にある。今になれば黒ぼく土の第3農園がブルーベリーにも野菜にも最も条件が良いと思う。資金もないので創意工夫と試行錯誤の連続で作ってきたブルーベリー園、その全貌を参考になればと思い5年目になったここで完全公開することにした。



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