1.ブルーベリーの緑枝挿し

ブルーベリーは挿し木でふえます。挿し木の時期は春から伸びた緑枝挿しと
落葉後の休眠枝挿しの2回です。まず緑枝挿し(soft wood cutting)の方法を紹介します。 

緑枝挿しの適期は、春から伸びた枝の先が止まるころ、東京では5月の終りごろから夏にかけてです。 5~6枚の葉をつけてはさみで摘みとります。


切り出しを良く研いで挿穂の調整に備えます。


挿穂は斜めに1刀、先端を裏から2刀目で切り返します。葉は上から2~3枚を残して下の葉は取り除きます。切り口が乾かぬように、すぐに水を入れた容器に入れます。


挿し木床は、育苗箱に湿らせたピートモスを数cmの深さに入れます。水をかけて落ち着かせます。


挿穂を順々に挿していきます。挿す深さは1~2節がピートモスの中に入る程度にします。


挿した後は水をかけて、寒冷紗等で被覆し、太陽光線の当たる風通しのよいところにおきます。水を切らすと枯れます。水はできるだけ多くかけます。約2ヶ月後には根が出始めます。


2.ブルーベリーの休眠枝挿し

つづいて冬の間の葉のない枝を挿す休眠枝挿し(hard wood cutting)の方法を紹介します。 

落葉後、冬の間、剪定した枝を捨てずに冷蔵し、春先に挿すことができます。温室なら3月初めくらいから、露地であればサクラの花が咲き終わったころからがよいでしょう。(最近の経験からいえることは、挿し穂は必ずしも貯蔵しなくてもよく、2月~3月上旬に剪定すれば、そのまま挿しても発根します。)


1月23日 剪定した枝は挿し穂の長さに切り、品種名を書いたラベルを入れてスーパーで買い物を包む薄いポリ袋で包み、上下を正しくして冷蔵庫の扉に保存します。温室ならいつでもよいのでしょうが、日が長くなってからのほうが良いような気がして、3月になってから挿しました。


3月7日 《温室で挿し木》 要領は緑枝挿しと同じなので省略しますが、違う点は緑枝挿しにくらべ休眠枝は硬いので一刀一刀力が必要です。


3月7日温度は野菜の育苗のそばに置いていたので最低15℃くらい、最高35℃でした。乾かぬよう毎朝水をやり、不織布で上をトンネル状に覆いました。


3月22日 休眠枝から芽が伸び始めています。この時点では、まだ、発根はしていません。


4月下旬、暖かくなって温室から出し、寒冷紗被覆下に置きました。寒冷紗の上から太陽光線には十分当てます。


5月9日 何本かの葉先から新しい葉が二次生長し始め、もう挿してから2ヶ月が経過しているので、抜いて見ると、ご覧のように発根していました。


7.5cmポットに、移植します。十分水を吸わせたピートモスで新根を切らぬように注意しながら行います。 油粕のペレットを置き肥して、あとは伸びるのを待ちます。




休眠枝挿しの利点
 
休眠枝挿しの方が緑梢挿しより効率がよい。冬を越す緑枝挿しに比べ、ポット上げ後、年内にぐんぐん生長するわけで、2年分以上生長させることができる。同じ年に挿すことを考えるとその差は大きいといえる。また、挿す前に花芽は取り除くので挿し木中に花芽ができることはない。


T&F indexへ